針子の餌に「ゾウリムシ」は知るところ。
ゾウリムシは、生茶で増やすことができます。
しかし、ゾウリムシを生茶ごと与えるとき、針子に良くないのではと不安になります。
そこで、一週間ほどゾウリムシ入り生茶を多めに与えてみて、針子への影響を確かめてみようと思います。
ただし、針子が異常をきたした場合、すぐに中止するのでご容赦ください。
ゾウリムシは培養液ごと与えるのが簡単
ミジンコをすくえる網でも、微細なゾウリムシはすり抜けてしまいます。
ゾウリムシの映像がこちら
針子の飼育水に、ゾウリムシの培養液を入れたくない場合、コーヒーフィルターなどでゾウリムシを濾し取る必要があります。
しかし、ゾウリムシを与えるたびに、この作業を毎回行うのはけっこう手間です。
だから、ゾウリムシを培養液ごと与えることになっちゃうんだよね
ゾウリムシをすくえる網もあります
レビューも好意的なので、試してみる価値はありそうです。
生茶でのゾウリムシ培養は、匂いが気にならないのでおすすめ。
ゾウリムシの餌となるバクテリアがタンパク質を分解し、その過程でアンモニアが生成されるから
生茶の成分がこちら
タンパク質は含まれないから、臭くならないんだと思うよ!
ただし、生茶はゾウリムシ培養におすすなものの、針子への影響がどれほどかよくわかりません。
それを確かめるのが、今回の実験の目的です。
30L水槽で換算すると、1日1Lのゾウリムシ入り生茶を与え続ける
実験を行ったのこのような時期
孵化から3日以上が経ち、餌をついばむようになった針子10匹に協力してもらいます。
別のお皿に、浄水を150mlほど張りました。
このお皿へ10匹の針子たちを移動。
10匹すべてを移し終えました。
このお皿を、水温26℃ほどの水槽の水に浮かべて針子を育てます。
水量150mlのお皿に、毎日5mlのゾウリムシ入り生茶を投入。
毎日投入する生茶は、お皿の総水量の1/30ほど。
30L水槽で換算すると、1日1Lのゾウリムシ入り生茶を与え続けるのと同じです。
水換えは行わず足し水にとどめるため、生茶は少しずつ濃いなっていくものと思われます。
生茶でゾウリムシを培養したときの配分はこちら
事前にゾウリムシ入り生茶のph(ペーハー)を、水質テス6in1でチェックしておきました。
ph8.4とアルカリ性でした。
メダカに適したphは、弱酸性~弱アルカリ性といわれます。
ph7が中性だから、針子にとってph8.4はややアルカリ性に傾き過ぎているような気が…
生茶が針子に与える影響を確かめてみた
では、いってみましょう。
実験開始
実験開始が夕方だったため、初日のみ、ゾウリムシ入り生茶5mlをまとめて与えました。
明日からは、2.5mlずつを朝夕2回に分けて与えていきます。
2日目
10匹の針子はすべて元気です。
本日、1回目のゾウリムシ入り生茶2.5mlの投入。
同じように、夕方もゾウリムシ入り生茶を2.5ml投入しました。
3日目
10匹の針子はすべて元気そう。
本日、1回目のゾウリムシ入り生茶2.5mlを投入。
夕方です。
本日、2回目のゾウリムシ入り生茶2.5mlを投入。
4日目
10匹のメダカたちは問題ない様子。
本日、1回目のゾウリムシ入り生茶2.5mlを投入。
夕方、2回目を投入しました。
そのときの様子を動画でご覧ください
10匹すべて元気で、ゾウリムシを嬉しそうに食べています。
翌日もゾウリムシ入り生茶を与えて、明日で実験開始から5日が経ちます。
6日目
本日、1回目のゾウリムシ入り生茶2.5mlを投入。
これまでとは様子が違って、ゾウリムシを食べようとせず、底でじっとしている針子が2匹ほど見られました。
夕方、2回目の投入しようと様子をうかがったところ…
生きてはいるものの、底でじっと動かなくなった針子が3匹に増えていました。
水温が気になったので測ってみると、何も問題なし。
ということで、7日間行うつもりだった実験は、ここで中止です。
これまで針子を育ててきた経験からして、いつもと明らかに様子が違っています。
ただし、残りの針子は普通に泳いでいました。
実験結果による考察
生茶が針子に与える影響を知るため、通常よりもかなり多めのゾウリムシ入り生茶を、5日間にわたり与え続けました。
その結果、生茶が濃くなりすぎるのは針子にとって危険であることを確認。
生茶はメダカ飼育を想定したものではないから、当然と言えばとうぜんの話だよね
とはいえ、どれほどの分量が危険なのか、実際に確かめた情報は見当たりませんでした。
今回、150mlの飼育水に対し、5日間で20ml(5ml✕4.5日)のゾウリムシ入り生茶を投入。
足し水はしなかったため、単純計算で13%の濃度になります。
※ゾウリムシ培養液なので、生茶自体の濃度はもっと低い
実験結果より確実に言えるのは、
飼育水の総量に対し、1/30以上のゾウリムシ入り生茶を日々与え続けるのは避けるべき
※ただし、以下のようなゾウリムシ培養の配分割合から導き出された結論です
ちなみに、水槽に浮かべた隔離ケースの針子に、毎日ゾウリムシ入り生茶を与えています。
隔離ケースの水量は850mlほど。
毎日、10ml(5ml✕2回/1日)のゾウリムシ入り生茶を与えています。
これまで、異常をきたした針子はいません。
ゾウリムシ入り生茶を与えた直後の映像がこちら
この隔離ケースには、水槽の水がわずかに流入するため、生茶が少しずつ薄まっていく点は考慮すべきかも
【最後に】ゾウリムシ入り生茶を針子に与え続けた結果…
針子にゾウリムシを与えるとき、飼育水の総量に対し、1日に1/30以上のゾウリムシ入り生茶を与え続けるのは避けるべきです。
ただし、飼育水の総量に対し、1日に1/100ほどであれば気にする必要はないでしょう。
ゾウリムシは針子にとって、一番おすすめな生き餌。
生茶で増やしながら、針子を餓死させることなく育ててあげてね!