冬場、屋外メダカにエアレーションすると…
水が撹拌され、冷やされることは、何となく想像つきます。
しかし、エアレーションが「どれくらい水温を下げるのか?」、具体的な情報は見当たりませんでした。
そこで、実際に確認してみて、新たな気づきもあったので情報共有いたします。
一方のタライにだけエアレーションして水温差を確かめてみた
実験を開始したのは3月6日。

寒さのピークは過ぎたとはいえ、朝晩の冷え込みは厳しい3月初旬。

3月16日には、近隣で雪も降りました。
実験にあたり、60Lタライを2つ並べ、水道水を張りました。

水深は25㎝ほど。

計測するのは「底の水温」です。

冬場において、60Lタライの「表面と底の水温差」がおおむね0.3℃であることは、別の実験で確認済みだよ!
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同じタイミングで水を張ったものの、2つのタライに0.1℃の水温差が生じていました。


実験開始にあたり、誤差の範疇と考えて問題ないでしょう。
右側のタライにだけロカボーイを投入し、エアレーション開始。




エアーを送るのは「e‐AIR 6000WB」の2つある吐出口の内、一方のみから。


エアレーションが、2つのタライの水温にどのような差を生じさせるか、確かめてみようというもの。
3月6日


水温を確認したのは、水を張ってから10時間が経った深夜。
暗いでよく見えませんが、エアレーションしているのは左側のタライだけ。


エアレーション無しのタライの水温6.8℃に対し、エアレーション中のタライの水温は6.6℃。




0.2℃の水温差ながら、エアレーションしているタライの水の方が、少しだけ冷やされていました。



水深のあるタライだけど、計測しているのは「底の水温」だよ!
3月9日


かなり暖かい一日で、お昼過ぎに水温を確認。
左側のタライだけ、がんがんエアレーション中。


エアレーション無しの水温7.5℃に対し、エアレーション中の水温は7.3℃。


思ったほどではないものの、エアレーション中のタライの水温の方が0.2℃低い状況。
同じ日の夕方にも水温を確認。


エアレーション無しの水温8.2℃に対し、エアレーション中の水温は8.3℃。


これまでの結果と違い、エアレーション中の水温の方が0.1℃高い状況。
ちょうど、夕日が差しているタイミングでした。


水面の方が温まりやすい状況で、底の水温よりも高かったと考えられます。



エアレーションの撹拌作用によって、温かくなった水面付近の水が底に沈み、これまでと水温差が逆転したと考えられるよ!
記録には残していませんが、この時間帯に何度か、同じような逆転現象が起こっていました。
3月10日


午前中に水温を確認。
エアレーション無しの水温7.6℃に対し、エアレーション中の水温は7.3℃。


エアレーション中のタライの水温の方が、0.3℃低い状況。
3月17日


昨日、近隣で雪が降るほど、急激に冷え込みました。
「どうせエアレーションするなら」ということで、新たに購入したろ材の使用準備。


ロカボーイを「ろ材」の中に埋め込みましたが、エアレーション作用について、これまでと変わりありません。
エーハイム系よりコスパ高め



粒の細かい「ろ材」だと、ベランダとかでこぼれると非常にやっかいだけど、この「ろ材」はほど良い大きさで扱いやすいよ!
エアレーション無しの水温4.4℃に対し、エアレーション中の水温は3.5℃。


これまでとは違って、1℃近くも水温差が生じていました。



急激な冷え込みによって、水面が冷やされている最中だからと思われるよ!
エアレーションの撹拌作用によって、冷たい水面付近の水が底に沈み、大きな水温差を生じさせたと考えられます。
3月19日


朝早くに水温を確認。
エアレーション無しの水温4.6℃に対し、エアレーション中の水温は4.2℃。


エアレーション中のタライの水温の方が、0.3℃低い状況。
実験結果による考察
あらかたな予想どおり、冬場、屋外メダカへのエアレーションは水温低下の原因です。
エアレーション無し | エアレーション有り | ||
3月6日 | 23時32分 | 6.8℃ | 6.6℃ |
3月9日 | 14時04分 | 7.5℃ | 7.3℃ |
〃 | 17時49分 | 8.2℃ | 8.3℃ |
3月10日 | 9時44分 | 7.6℃ | 7.3℃ |
3月17日 | 8時05分 | 4.4℃ | 3.5℃ |
ただし、日が差して、水面が温まるような状況においては、この限りではありません。
上記の結果による結論として、
エアレーションによる撹拌作用は、表面と底の水温差をなくす
というもの。
使用した60Lタライにおいて…


冬場の「表面と底の水温差」がおおむね0.3℃であることは、別の実験で確認済み。
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本来なら、0.3℃ほど温かいはずの底の水温が…


エアレーションしたタライは、底の水温も、表面と同じような水温に変化していました。
これを踏まえ、冬場の屋外メダカへのエアレーションは、
- 多くのシーンで水温を下げてしまう
- 容器全体を水面付近の水温に近づける
- 深め容器がもつ「水温低下を軽減するメリット」を失う



水面が凍結するような寒い日ほど、水面と底で水温差が生じやすく、エアレーションで撹拌してしまうのはナンセンスだと思うよ!
【最後に】冬の屋外メダカのエアレーションで水温はどれくらい下がるか?
サウナで水風呂に入ったとき、人が出入りして水流が起こると、余計に冷たく感じます。



越冬中のメダカも、エアレーションで水流があると、実際の水温より冷たく感じているかも…
屋外メダカの越冬では、やはり「エアレーション無し」の方が無難そうです。
逆に、暑い季節はエアレーションがどのような水温差を生じさせるか、夏場に同じような実験で確かめてみようと思います。