メダカを飼い始めのころ、どうすれば卵が孵化してくれるのか、よくわかりませんでした。
ネット検索してみると、水質はもちろん、水温や酸素それに光も重要だとか…
試行錯誤しつつ、一番簡単で失敗しない方法がわかったのでシェアいたします。
メダカの孵化は「小皿+水道水」で!
メダカを孵化させるとき、一番簡単で失敗しないのが「小皿+水道水」による方法。
30コくらいの卵であれば、このような小皿で十分です

割れたりせず、水にも浮かべられる、百均のプラスチックタイプの小皿がおすすめ。

小皿を使用する理由の一つは、水深が浅く水面が広いため、水に酸素が溶け込みやすいから!
メダカの孵化に好ましいのは「浅い入れ物」だと、小学5年の理科でも説明されています。


汲みたての水道水を使用するメリットは、細菌が少なく、塩素(カルキ)がカビ予防になるため。





これまでに200回以上はカルキ入り水道水でメダカを孵化させてきたけど、特に問題なし!
メダカを確実に孵化させるポイント4つ
「小皿+水道水」による方法がいかに合理的か、4つのポイントから明らかです。
- 水質
- 酸素
- 光
- 水温
それぞれ見てみましょう。
1.水質
メダカに無難な水質は中性であり、水道水は厳格な管理のもと中性から弱アルカリ性(pH5.8~8.6)に保たれています。
また、メダカが健康的に生きられる水であれば、孵化にも問題ありません。



ただし、卵が産まれた容器の水を、そのまま孵化に使っちゃうのは失敗のもと!
メダカの飼育水は、病気やカビの原因となる菌でうじゃうじゃだから。
自発的に動くことのない卵は、カビをもたらす菌の格好の標的となるため、メダカの飼育水を孵化に使用するのはおすすめしません。



水質はおおむね中性、雑菌も少ないとなると、メダカの孵化に水道水は好都合だね!
2.酸素
有精卵であれば、メダカの卵もちゃんと生きています。



生きてるからには「呼吸」するし、呼吸するからには「酸素」が欠かせないよね!
魚の親がヒレで卵に水を送るのも、酸素を供給するため


ただし、自発的に動くことのない卵に、生体ほどの酸素は必要ありません。



卵はじっとしてるぶん、酸素の消費量は生体ほど多くないけど、酸素不足だと死んでしまうから気をつけて!
経験上、水道水の溶存酸素は、メダカの孵化に問題ないレベルです。
※溶存酸素=水中に溶け込んでいる酸素の量
3.光
メダカの孵化条件を調べてみると…
「光が重要」とか「日照時間は最低12時間以上」といった情報を見かけます。



でも、これらの情報は事実と異なるよ!
メダカの孵化にライトや太陽による光は不要でした



孵化に関する情報が、親メダカの産卵条件や、光がもたらす熱の重要性などとゴッチャ混ぜになってる印象
ニワトリの卵の電球も、「光」ではなく「熱」が目的ですよね


メダカを孵化させるにあたり、ライトや太陽による光は不要です。



だとすると、室内で保管するなど、小皿だと場所を選ばないよね!
ただし、孵化した針子には、ライトや太陽による光が欠かせないので注意してください。
4.水温
メダカを孵化させるにあたり、水温の目安は20~32℃。



水温32℃くらいまでなら、卵が傷むことはないけど、水質悪化や酸素不足には気をつけて!
逆に、水温20℃よりも低いと、孵化するまでに日数がかかり過ぎ、卵が死んでしまうリスクが生じます。



水を温められるなら水中ヒーターじゃなくてもいいし、小皿だと水量が少ないぶん、冬場でも簡単に温められるよ!
以上、4つのポイントから「小皿+水道水」による孵化方法は合理的と言えます。
- 水質=中性
➝水道水はおおむね中性、塩素(カルキ)がカビ予防になる - 酸素=やや必要
➝水道水の溶存酸素量で問題なし、小皿は空気が溶け込みやすく好都合 - 光=不要
➝小皿なら置く場所を選ばず室内でもOK - 水温=20~32℃
➝小皿なら水量が少ないぶん冬場も温めやすい
「小皿+水道水」によるメダカの孵化手順
いつも「小皿+水道水」で孵化させている手順を、参考までにご紹介させていただきます。
産卵床に産み付けられたメダカの卵。


指で採卵して小皿に移しました。


メチレンブルー水溶液に一日浸けて、有精卵かどうか確認します。


8月23日。


こんな時期です


夏場、卵の小皿は、屋外のハードコンテナの中で管理しています。


次の日


青く染まった無精卵を取り除きます。





無精卵を放置すると、有精卵にまでカビがはえちゃうよ!
別の小皿に水道水を注ぎました。


30mlスポイトで卵を吸い取り、網の上へ。




水道水を張った小皿に移します。


昨日同様、小皿は屋外のハードコンテナの中へ。





直射日光が差すのは午前中の1~2時間くらいの場所で、最高水温は33℃くらいまで上がってるよ
3日後


すべての卵が発眼しました。


4日後


もうすぐ孵化しそうな卵が見られます。


5日後


1匹目が孵化しました。


その日の夕方。


すべての卵が無事に孵化しました。


孵化した針子の動画がこちら
参考までに、いつもの孵化シーンのご紹介でした。
メダカを小皿で孵化させるとき3つの注意点
3つの注意点とはこちら
- 大量の卵はNG
- 急激な水温変化を起こしやすい
- ひっくり返しやすい
1.大量の卵はNG
卵を入れた水は、思った以上に劣化が進みます。



卵の水は、メダカの飼育水よりも生臭かったりするよね…
小皿は水量が少ないぶん、孵化させられる卵の数は多くありません。



それに卵の数が多すぎると、酸欠になってしまう可能性も考えられるよね
メダカを数多く飼育していて、毎日大量に採卵するような方には、小皿による孵化方法は不向きかもしれません。
小皿の水を毎日水替えするなら、卵50コくらいでも問題ありません。
2.急激な水温変化を起こしやすい
水量の少ない小皿は、水温変化が急激です。
特に夏場屋外で保管するような場合、小皿の最低・最高水温を一週間ごとに把握しておくと安心です。


知りたい期間の最低・最高水温が一発でわかる水温計
3.ひっくり返しやすい
卵を容器ごとひっくり返してしまうと、取り返しがつきません。
小皿は持ち運びやすかったり、置く場所を選ばなかったりするぶん、ちょっとしたはずみでひっくり返りやすいのが難点です。
ちなみに屋外では、フタ付きハードコンテナの中に小皿を置いています。




フタがあると、雨を防いだり、昆虫などの侵入を防いだりできて安心です。
さらに怖いのが、強風でハードコンテナごとひっくり返ったりすること。


フタの上に重しをのせておくと安心です。
以上、メダカを小皿で孵化させるときの3つの注意点でした。
- 大量の卵はNG
- 急激な水温変化を起こしやすい
- ひっくり返しやすい
【最後に】メダカの卵を孵化させる一番簡単で失敗しない方法
あれこれ試行錯誤して見つけ出した、一番簡単で失敗しないメダカの孵化方法でした。
使えそうな内容があれば、あなたのメダカライフに上手に取り入れてみてください。



お気に入りのメダカをどんどん殖やしていけるよ!