メダカの卵を発送するときのタレビン。
酸素の少ない状態で、何日くらい大丈夫なのか気になりますよね。
結論から言うと、密閉状態で5日間は大丈夫でした。
ただし、注意点もあるので、詳細は本文をご覧になってください。
メダカの卵にも酸素は必要か?
メダカの卵の発送にタレビン、もはや常識ですね。
タレビンに入ったメダカの卵が届きました。オロチ他色々ミックスだそうです、今日からメダカ始めます😅!! pic.twitter.com/LbRvjZafDw
— 深山熊夫 (@SzByaFXNVPh9BiM) May 10, 2020
蔵王メダカさん @Qn6MQcibOFc0Ol5から卵が届きました。
— マジェ_Aqua09 (@ttm21216m) August 31, 2018
しかもタレビン✕4個で1つ多い😍😍
そして私は気付いてしまった!ビンのラベルは絆創膏だーっ!
ナイスアイディアです👍🏼
大切に育てます。本当にうれしー😊 pic.twitter.com/vHmLx3pT2b
タレビンで遠くへ発送するとき、心配事の一つが卵の酸欠状態。
メダカの卵も呼吸します。

水中に酸素がなければ、卵も生きられないよ!
卵の付着糸(ネバネバ)を取り除く理由として、それぞれの卵がしっかりと水に触れる状態をつくり、酸欠状態を防ぐといった意味合いもあります。
水深の深い容器ではなく、あえて「浅い容器」で育てるのも、卵の酸欠状態を防ぐため。
小学校の理科でもそう教えられているみたいです
Qメダカの卵は、なぜ浅い入れ物でふ化させるの?
Aメダカの卵は呼吸しているので、できるだけ空気が溶けこみやすい、水面近くにおいてやるためだよ。引用:5年理科学習相談(学研教育情報資料センター)
メダカの卵にも酸素は必要ですね。
メダカの卵10コを30mlタレビンに5日ほど密閉
使用したのは30mlのタレビン。


このタレビンにメチレン水を詰めます。


酸欠状態が卵に及ぼす影響を知りたいため、卵が死滅する他の要因をできるだけ排除しました。



メチレン水は10日ほど前から作り置きしていたものだから、特別新鮮でもないし、溶存酸素が高いわけでもないよ
メチレン水の作り方はこちら
使用するのは、発眼を確認できた卵のみ10コ。


まずは、メチレン水でタレビンを満たしました。




次に、メダカの卵をタレビンへ。




最後に、メチレン水が少し溢れるくらいの強さでタレビンを握って、陰圧状態でフタを閉めます。


タレビンの中のメチレン水が空気に触れないため、より酸欠になりやすい状態です。
※陰圧:外よりも気圧が低い状態



卵を発送するとき、タレビンの水が漏れないよう、陰圧状態にすることがあるよ
この状態で5日を過ごし、それから通常の環境に戻し、卵がちゃんと孵化するかどうかを確かめてみます。
【実験】メダカの卵はタレビンで何日くらい大丈夫か?
実験したのはこのような時期


11~12月にかけて、急激に冷え込み始めました。
実験開始(11月24日)


タレビンを密閉状態で、5日ほど10コの卵に過ごしてもらいます。


タレビンを保管するのは、窓際で日のあたる水槽のライトの上。


直接的にメチレン水の水温を測ることができないため、隣の水温を目安としました。
ライト点灯・消灯時におけるメチレン水の水温は、以下のようなもの。
- 点灯時(14時間):21~25℃
- 消灯時(10時間):17~20℃
同様の環境で、卵がちゃんと孵化するのは確認済み
また、急激な水温低下にメダカの卵が耐えられることも確認済み



もし卵が孵化しなければ、その原因は限りなく「酸欠不足」だと言える環境だよ
2日目(11月25日)


ライト点灯時、隣の水温は24℃なので、メチレン水も同じようなものだと思われます。


タレビンの中に気泡は見えるものの、フタを閉めるときに空気は抜いています。
卵は昨日と変わりない様子。


3日目(11月26日)


ライト点灯時、隣の水温は25℃。


今のところ、卵にカビなどは見られません。


4日目(11月27日)


ライト点灯時の水温は25℃ほど。


本日も14時間、ライトを点灯しました。
5日目(11月28日)


朝方は気温10℃を下回るなど、ここ最近の福岡にしては、かなりの冷え込み。


ライト点灯前の水温は19℃でした。


6日目(11月29日)


この時点で卵は、まる5日間タレビンの中で過ごしたことになります。(ゴメンネ)
この卵をタレビンからお皿へ移します。


お皿に水道水を張ります。





卵のときは、カルキ入り水道水でまったく問題ないよ!
タレビンの卵を、お皿へ移しました。


タレビンの密閉状態で5日間過ごした卵。


見た目には問題なさそうな感じ。
このお皿を水槽のLEDライトの上に置きました。


いつも卵が孵化している環境です。
7日目(11月30日)


卵にカビなどは見られません。


8日目(12月1日)


卵の発生は順調なようです。


9日目(12月2日)


ライト点灯時で水温23℃。


卵に異変は見られません。


10日目(12月3日)


何気にお皿をのぞいて見ると、何と5匹も孵化していました。


あの密閉状態でよくぞ!
お皿のお水が減ってきたので、浄水で足し水しておきます。





孵化したメダカにカルキ入り水道水はNGだよ!
13日目(12月6日)


さらに3匹が孵化して、合計8匹の針子が元気に泳ぎ回っています。


19日目(12月12日)


もう無理かなと思っていた矢先、ようやく1匹が孵化。


これで孵化した針子は9匹。
卵は残り1コです。


20日目(12月13日)


最後の1コも無事に孵化してくれました。


元気に孵化した針子たち、ぜひ動画でご覧になってください
実験結果による考察
今回の実験で言えることは、以下の2つです。
1.卵10コなら30mlタレビンで5日は問題なし!
少なくとも、メダカの卵10コは、30mlタレビンで5日間は大丈夫です。
ただし、夏場の気温が高い時期は、溶存酸素が低くなるため、同様の結果になるとは限らないことに注意してください。



とはいえ、使用したメチレン水は作り置きしたものだったので、溶存酸素は決して高くなかったはずだよ
2.卵を入れるタレビンの大きさの目安
ヤフオクなどで卵を発送する場合、2日もあれば全国のほとんどの場所に届きます。
30mlタレビンに卵20コであれば、ほぼ安全に購入・販売できるのではないでしょうか。



卵の数が2倍なると消費酸素も増えるから、少なく見積もって2日だよ!
【最後に】メダカの卵はタレビンで何日くらい大丈夫か?
20日かけての孵化というのもそうですが…
小さなメダカの、さらに小さな卵は想像以上にタフでした。
これで安心して、遠方から卵を購入したり、遠方へ発送したりできますね。