キラキラした太陽、水草の茂みに舞うメダカ。
せっかくメダカを飼うなら、一つくらい「ビオトープ」も楽しみたいですよね。
そこで、放ったらかしビオトープの作り方と、ちょっとしたマル秘テクがあるので、そちらも併せてご紹介いたします。
放ったらかしビオトープを作るポイントは2つ
せっかく立ち上げた水草水槽、あっという間に「コケまみれ」なんて経験ないでしょうか。
ビオトープも同じような状況に陥りがち。
そうならないよう、放ったらかしで何年も楽しめるビオトープづくりのポイントは2つ。
- 容器に土を敷かない
- 越冬できる水草を選ぶ
単純な話ですが、少しご説明いたします。
1.容器に土を敷かない
以前、ビオトープにソイル(土を焼き固めて粒状にした水槽用の底砂)を敷いていました。

しかし、容器にソイルや赤玉土を敷いてしまうと…
- 水が濁りやすい
- 掃除のときに土が舞い上がる
- 水替えのときに土を吸い込む
- 容器全体を洗いづらい
- 水草を取り出してのメンテナンスが難しい
といったわずらわしさが生じます。

バクテリアなどの水質環境が整わないとコケも出やすいよ
「放ったらかし」つまり手間暇かけずに、長くビオトープを維持したいなら、容器に土を敷くのはおすすめしません。
2.越冬できる水草を選ぶ
お気に入りの水草を植えるのは本当に楽しいです。
しかし、必ず冬が到来します。





冬場、温かい日が続くと思いきや、急激に冷え込んで大雪になったり極端だよね…
冬が来るたびに枯れてダメになってしまうようでは、長期維持などできません。


それにコスパも悪すぎます。



最初から越冬できる水草を選んでおくのがおすすめ!
越冬できる水草であれば、冬場も完全に枯れてしまうことはありませんので、極端な水質悪化の心配がなく、寒さをしのぐメダカの隠れ家にもなります。
放ったらかしで何年も楽しめるビオトープづくり2つのポイントでした。
- 容器に土を敷かない
- 越冬できる水草を選ぶ
メダカ用ビオトープにおすすめな越冬できる水草
上記を踏まえ、あとは冬越しできる水草をポットごと沈めるだけ。



屋外に放ったらかし、特段の手を加えることなく、翌年も元気な水草をご紹介します!
※福岡県で越冬できている水草
まずおすすめがウォーターバコパ。


冬場、水面が凍結しても、春にはちゃんと復活してくれます。
透明なカップにソイルを敷いて寄せ植えしていますが、もう何年も元気です。





ソイル(土)がこぼれないよう、カップの底に穴なんて開けてないけど、毎年元気な姿を見せてくれてるよ!
次におすすめがウォーターポピー。


睡蓮と同じく、水面に葉を浮かせる浮葉植物。
朝咲いて夕方には萎んでしまう「一日花」を咲かせてくれます。


冬場は茶色く変色しますが、完全に枯れてしまうことはありません。


以前は、容器にソイル(土)を敷き詰めて、そこにウォーターポピーのポットを沈めていました。




しかし、茎から無数の根を出し、ソイルに張り巡らすため大掃除に悪戦苦闘。
しかし、ソイルなど敷かずに、ポットごと沈めておくだけでグングン育ってくれます。


続いて、スイレン科・浮葉植物のコウホネ。


もう何年も越冬してくれてます。
続いて、日本各地の水田や用水路に見られる多年草のオモダカ。


高く伸びるので、水深のある容器で使用するのがおすすめ。
番外編として、南米に自生するオモダカ科の水草エキノドルス。


屋外で越冬できませんが、冬場は温かい室内で水上葉を維持できています。



コンディションが良いと、夏場は巨大に育つよ!
メダカ用ビオトープの作り方
あとはポットの水草を準備して…




ドボンッと沈めてやるだけ。





これまで色んな方法を試してきて、これが一番楽!
あまり手を掛けないで済むぶん、メダカのストレスも少なめで、落ち着いた環境で育ったメダカのコンディションは抜群!
メダカ用ビオトープの水替え方法
基本的に水替えは不要です。
水草がぐんぐん水を吸収するので、少なくなったぶんを足し水するだけ。






あえて水を抜きたい場合は、水替え用のホースで吸い取ればOK





土を吸い取る心配がないのがいいね!
メダカ用ビオトープの水草に肥料は必要か?
経験上、ビオトープに肥料は不要です。
ちなみに、水草の3大栄養素がこちら
- 窒素
- リン
- カリウム



窒素・リンは、メダカのフンやエサの食べ残しで水中に供給されるよ!
それに対し、カリウムは人為的に添加しない限り、閉ざされた環境では欠乏しがち。
窒素・リンを除いた液体肥料なるものが存在するのは、そういった理由からなんですね。



水草の調子が良くない場合、こういった液体肥料を使ってみるのもありだよ!
ただし、肥料を添加すると、そのぶんコケも出やすくなるので注意してください。
メダカ用ビオトープのお掃除方法
ソイルなどを敷き詰めたビオトープは、大掃除するのに限界があります。





土の底に軽石なんかを敷いてると、取り出すこともできないんだよね…
それに対し、土を敷いていない場合、水草ポットを取り出して…




ビオトープのメダカをすく出してあげれば…




すぐにこの状態。


あとは容器をタワシで洗ったり…


水草ポットの外側をごしごし洗ってやればOK





ついでに余計な水草を間引いてやったりするといいよね!
このタモ網があると何かと便利です
ちょっとした2つのマル秘テク
PSB(光合成細菌)をご存知でしょうか。
あのトマトジュースのような、紅色の不気味な液体。


光合成細菌は嫌気性です。
嫌気性=酸素がない環境で増殖できるバクテリア



となると、エアレーションしてるメダカ容器なんかに注入しても、光合成細菌は長くもたなそうだよね…
光合成細菌の強みは、水質浄化バクテリアでは分解しきれずに、メダカの飼育水に蓄積されていく「硝酸イオン」を空気中に放出(窒素還元)してくれる点。



このような光合成細菌の働きによって、完全に水替え不要の環境がつくれるそうだよ!
この辺の知識について、この本がメチャクチャ参考になります
エアレーションしているメダカ容器などに対し、水草の根が張り巡らされた土など、酸素がほぼ無いであろう環境が存在するのがビオトープ。



ビオトープにPSBを使わない手はないと思うよ!
定期的にPSBを注入することで、光合成細菌による硝酸イオンを除去する働きを期待できます。


さらにPSBにはもう一つのメリットがあって、それはミジンコを殖やせる点。
せっかくビオトープにPSBを注入するのだから、ミジンコにも共存してもらいます。









ミジンコは水草に害を与えないし、メダカの生きエサにもなるから一石二鳥!
PSB&ミジンコを与える様子
メダカが食べることができないほど大きくなる「オオミジンコ」がおすすめ!



大人のミジンコから増殖した小さなミジンコなら、メダカたちは喜んでパクつくよ!
本当の意味での「生態系」の出来上がりって感じですかね。
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【最後に】一番簡単で放ったらかし何年も楽しめるダカ用ビオトープの作り方
メダカにもお財布にも優しく、かつ手間のかからない、一番簡単なビオトープの作り方でした。



生きものが安定して暮らすことができる空間が「ビオトープ」だから、何年も維持できるというのは大切なポイントじゃないかなぁ
ぜひ、青々とした水草の茂みを、心地良さそうに泳ぐメダカの姿をご堪能ください。