メダカ飼育に何かと役立つ「浮き草」
とはいえ、実際に活用してみると、メダカ飼育には不向きな点があったりします。
そこで代表的な3種の浮き草のうち、
- ホテイ草
- ウキクサ
- アマゾンフロッグピット
メダカ初心者が一番使いやすい浮き草がわかりました。
メダカ飼育で使える3種の浮き草
3種の浮き草がこちら

ホームセンターなどでもよく見かける、大きな株の浮き草。
「ホテイアオイ」とも呼ばれます。
日本固有の浮き草と思いがちですが、原産地は南米(ブラジルなど)です。

日本の水田・池沼などに自生する「ウキクサ」という名の浮き草です。

原産地は南米(ブラジルなど)で、池沼や河川に生育する浮き草です。
【結論】一番オススメの浮き草は「アマゾンフロッグピット」
これら3種の浮き草のうち、メダカ初心者に一番おすすめは「アマゾンフロッグピット」です。
その理由として
- 水質浄化能力を期待できる
- 根が散って水質を悪化させにくい
- ある程度の大きさがあって扱いやすい
このような結論に至るにあたり、プチ実験を行いました。
同じグラス容器に3種の浮き草を1週間浮かべてみた
3種の浮き草の水質浄化能力・根の散り具合を比較する実験です。
実験では、形状・容積の同じグラスを用いました。


これらのグラスに同じ量の水を入れ、3種の浮き草を浮かべたのがこちら


左から「ホテイ草」「ウキクサ」「アマゾンフロッグピット」です。
それぞれの浮き草の量は、水面を覆う程度を意識しました。
プチ実験を行ったのは35℃近くが続いた夏場。

浮き草を浮かべたグラスを、1週間ほどベランダで放置しました。

このようなプチ実験により、3種の浮き草の水質浄化能力・根の散り具合を比較してみることに。
3種の浮き草プチ実験の結果
1週間後にグラスから浮き草を取り出し、残った水を観察してみました。
水質浄化能力が高めなのは「ホテイ草」
1週間経ったグラスがこちら


左から「ホテイ草」「ウキクサ」「アマゾンフロッグピット」です。
浮き草をグラスから取り出しました。

水量がかなり減っています。

左からホテイ草・ウキクサ・アマゾンフロッグピット。

蒸発ぶんもかなりあると思うけど、浮き草も多くの水を吸収しているはずだよね
最も水が減っているのは、一番左のホテイ草のグラス。


左からホテイ草・ウキクサ・アマゾンフロッグピット。



真ん中の「ウキクサ」は、かなりの量が水に沈んでいたため、取り出すときに付着した水の減少ぶんを考慮したよ
水が一番減っている「ホテイ草」の水質浄化能力が高めと言えそうです。
とはいえ、3種の浮き草で水の減少量に大差ないため、ウキクサ・アマゾンフロッグピットの水質浄化能力も期待できそう。
根が散りやすいのも「ホテイ草」
3種の浮き草を取り出したあとのグラスがこちら。


ホテイ草


ウキクサ


アマゾンフロッグピット


葉や根っこが、最も散っていたのは「ホテイ草」です。
アマゾンフロッグピットは根っこが白っぽいため、ルーペを使ってよく確認しましたが、散った根っこはほとんど見られませんでした。
ということで、3種の浮き草のうち
- 水質浄化能力が高め= ホテイ草
- 根が散って水質を悪化させやすい= ホテイ草
ホテイ草は水質浄化能力が高めと思われるものの、葉・根っこが散って水質を悪化させてしまう可能性が高いという結論に至りました。
葉の小さな「ウキクサ」は扱いづらい
ウキクサの繁殖力には、目を見張るものがあります。(真ん中)










少量を浮かべていても、短期間でこのような状態となります。


繁殖力を考えると、ホテイ草よりも水質浄化能力は高いのかもしれません。



ちなみに、ホテイ草やアマゾンフロッグピットと違って、ウキクサはランナー(株を増やしていく茎)を見たことがないんだよね
アマゾンフロッグピットのランナー


こんなふうに増えてたんですね!
ウキクサが増える様子(NHK for School)
ウキクサが水質浄化能力を期待できるとはいえ、小ぶりな葉がメダカ飼育では2つの点でやっかいです。
- 付着したメダカの卵を発見・採取しづらい
- 水換え時に邪魔になる
ウキクサの根から、産み付けられた卵を発見するのは容易でありません。


しかも、小さなウキクサの根っこから、さらに小さな卵を採取するとなると途方に暮れます。


水換え時に柄杓ですくってしまったり、ポンプで吸ってしまったりと、その扱いにくさも難点。


水質浄化を期待できるものの、「ウキクサ」は卵の採取や水換え時の扱いに手を焼きます。
他の浮き草の欠点を補えるのが「アマゾンフロッグピット」
ここまでの内容をまとめると、
- ホテイ草
・水質浄化能力は高めと思われる
・根っこが散って水質を悪化させやすい - ウキクサ
・よく増える
・そのぶん水質浄化能力も高そう
・メダカの卵の発見や採取が困難
・水換え時の扱いがやっかい
ということでした。
それに対し、アマゾンフロッグピットは水質浄化能力を期待しつつ、ホテイ草に比べ根っこが散りにくいため、水質を悪化させる可能性は低めです。
また、ウキクサよりサイズ的に大きいため、水換え時の扱いもそれほど苦になりません。
ということで…
メダカ飼育の初心者に、一番おすすめの浮き草は「アマゾンフロッグピット」です。
- 水質浄化能力を期待できる
- ウキクサよりも卵の発見や採取が容易
- サイズ的に水換え時も扱いやすい
アマゾンフロッグピットは冬を超えて翌年も活用できる
浮き草を何度も購入するようでは、コスパが悪くてしょうがありません。
アマゾンフロッグピットは多年草のため、来年・再来年と長く活躍してくれます。
※ホテイ草・ウキクサも同様
一年草:寿命が1年ほどで終わってしまう
多年草:寿命が1年を超えて長く続く
ただし、冬場に屋外では絶命してしまう可能性が高いため、屋内に移すなど何らかの保温対策は必要です。



たとえ枯れたように見えても、温かい季節になると復活するので大切に保管してね
近くの公園の大鉢の中で、アマゾンフロッグピットが何年にもわたり越冬を繰り返しています。




管理業者が入れたものと思われます。
※アマゾンフロッグピットは外来種なので、取り扱いには十分注意してください
水深が深いため、冬場でも一定の水温をキープできているのでしょう。
追記
11月28日の浮き草の状態。


14時ごろの水温は9.8℃でした。
すでに「ウキクサ」は、ほとんどが枯れてしまい消滅状態。


それに対し、アマゾンフロッグピットはまだまだ元気です。
メダカ飼育でアマゾンフロッグピットを活用するときの注意点
アマゾンフロッグピットを活用する際、3つの点に注意してください。
- 根が伸びやすい
- 増えすぎて水面を覆いやすい
- 害虫が付きやすい
それぞれ見てみましょう。
注意点1:根が伸びやすい
深めの容器・水槽だと、アマゾンフロッグピットの根は際限なく伸びていきます。


横見する水槽であれば、ビジュアル的に良くありません。
根をカットする必要があるので注意してください。
注意点2:増えすぎて水面を覆いやすい
ご多分にもれず、アマゾンフロッグピットの繁殖力も旺盛です。
コンディションが良いと、メダカの飼育容器を覆い尽くしてしまいます。


環境によっては、葉がかなり大きくもなります。


ウキクサよりも葉がぶ厚く大きいぶん、日光を遮ったり、酸欠状態をもたらしやすいので注意してください。
注意点3:害虫が付きやすい
浮き草をよく見てみると、葉に黒い点々があるかもしれません。


さらに観察してみるとアブラムシでした。(ホテイ草・ウキクサも同様)


名称はクワイクビレアブラムシというそうです。



小さな虫にとって、浮き草は沈まない水上ベッドのようなものなんだよね
アブラムシがびっしり付着したアマゾンフロッグピット


自然では普通なのかもしれませんが、特に屋内飼育では気持ちの良いものではありません。



浮き草に枯れた部分が目立つのは、酷暑の影響だと思っていたけどアブラムシの害かも
ただし、アブラムシが付着するのは、悪いことばかりではありません。
メダカ容器の中でアブラムシを洗い流すと、おいしそうにパクパク食べてくれます
アブラムシを「水上のブラインシュリンプ」なんて呼ぶ人がいるほどです。
追記
卵を産み付けられたり、根っこが散って水質を汚したりを防ぎつつ、浮き草の水質浄化能力を利用する方法を考えました。
それがこちら


浮き草の枯れる冬場は屋内水槽に浮かべておくなど、隔離ケースがあると何かと便利です。
追記
冬を前にウキクサはほぼ全滅、しかしアマゾンフロッグピットは健在です。


上の画像は12月15日・水温7.4℃の状態。


冬場は水面から冷やされるので、保温効果も期待できるはずです。
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【まとめ】メダカ飼育で一番使いやすい浮き草はどれ?
メダカ初心者が一番使いやすい、オススメの小さい浮き草はアマゾンフロッグピットです。
ただし、屋内飼育か屋外飼育か、水槽か水鉢かなど、飼育環境によってチョイスすべき浮き草は違ってくるかもしれません。
この記事の内容をよく吟味していただき、あなたの飼育環境にあった浮き草を選んでくださいね!
今回ご紹介した浮き草はこちら