水合わせを軽く考え、遠く他県からやって来たメダカが昇天。
長旅のあげく急激な環境変化が、メダカにとっていかに酷かを知りました。
それ以降、丁寧な水合わせをするようになって、メダカが昇天するどころか、餌食いが良くなったり、産卵までの期間が早まったりといい事づくめ。
そんな経験のもと、水合わせの時間・回数・メダカが暴れるときの対処法、病気などを発症していたときの塩浴・薬浴のちょっとしたポイントも交えながら一挙解説!
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失敗しない「水合わせ」は前後のチェックこそ命
メダカ飼育における「水合わせ」の役目は、”元の水”から”新しい水”に上手く馴染んでもらうこと。
新しい水に上手く馴染んでもえない、つまり「水合わせ」に失敗すると、メダカが病気になったり、昇天したりします。
よくわからないまま不調が続くのも、最初の「水合わせ」に原因があったりするんだよね
よくわからない不調は原因の特定が難しく、結果的に「水合わせ」は失敗に終わってしまします。
メダカの不調にいち早く対処するには、むしろ「水合わせ」ではなく、水合わせ前後に問題がないかをチェックしてください。
水合わせ前後における問題とは、以下のようなもの。
- 水合わせ前:そもそも病気などを発症していないか?
- 水合わせ後:元気に育つ飼育環境を整えられているか?
水合わせ前後をチェックするメリットは?
メダカに何かしらトラブルが発生したとき、いち早く原因を特定し、素早く対処できる
水合わせ前後に問題があると、どれほど丁寧に行ったところで、結果的に「水合わせ」は失敗に終わってしまいます。
失敗しないためには「水合わせ前後」のチェックが欠かせないよ!
水合わせ前後におけるチェックポイント&対処法
水合わせに失敗しないために、
- 水合わせ前
- 水合わせ後
でチェックすべきポイントと対処法を挙げてみます。
1.水合わせ前
新たなメダカが病気などを発症していないか、水合わせの前によくチェックしてください。
病気などを見逃してしまうと、他のメダカや飼育水・ろ材にまで悪影響が及びかねません。
病気など何かしらトラブルを抱えているようなら、塩浴や薬浴が必要になるよね!
2.水合わせ後
元気に育つ飼育環境が整っているか、メダカ購入の前にチェックしておくべきです。
水合わせと関係するチェックポイントは主に2つ。
- 水質の面
・塩素は含まれていないか?
・ろ過器は必要ないか?
・バクテリアが付着した良好な水か?
・エアレーションは必要ないか?
・メダカの数はこの飼育容器で適切か? - 水温の面
・熱すぎないか?
・冷たすぎないか?
・ヒーターは必要ないか?
水道水をバケツなどに汲んで、2~3日ほど日光(紫外線)にさらすと、残留塩素の殺菌効果が弱まりメダカに使える水になります。
殺菌効果を生み出す「次亜塩素酸ナトリウム」が、紫外線によって塩化ナトリウムと酸素に分解され、その結果、殺菌効果が弱まるよ!
ただし、殺菌効果が弱まるということは、雑菌も繁殖しやすくなるため、水道水のあまりにも長い期間の汲み置きは避けてください。
「カルキ」と「塩素」の違いは?
- カルキ=次亜塩素酸カルシウム
- 塩素=次亜塩素酸ナトリウム
現在、水道水に含まれるのは「次亜塩素酸ナトリウム」の方なので、「カルキ抜き」ではなく「塩素抜き」が正しい呼称と思われます。
残留塩素の濃度は、お住まいの地域によって異なるようです。
水質の重要性はもちろん、「元の水」と「新たな水」の水温差の影響も見逃せません!
海水温1℃上昇は人にとっての気温10℃上昇に匹敵すると言う人がいるくらい、水温が魚に及ぼす影響は大きいんだよね
メダカが元気に育つ飼育環境を整えられていなかった最悪の事例を一つ
以前、100匹のメダカをネット購入したことがあります。
2つの容器の飼育水は、同じ時期・同じ場所・同じ水によるもの。
右側の100匹の飼育水は劣悪になってしまい、ほとんどのメダカを昇天させてしまいました。
メダカが元気に育つ飼育環境かどうか、メダカを購入する前に水質・水温の視点からチェックしてね!
上記に関連してこちらの記事もご参考ください
水合わせの時間・回数は?
水合わせに必要な時間・回数を知るには、「どのタイミングで水質変化しているか?」を考えてみてください。
たとえば、日々の水換えシーンにおいて「元の水」を抜いたときではなく、「新しい水」を足したときに水質は変化します。
急激な水質変化が起こるのは、元の水に対し、新しい水をより多く・より早く足したとき。
水合わせにかける時間と回数を考えるとき、まず意識すべきは「元の水の量」がどれくらいか?
「水合わせ」を終えたときの水量比率は、元の水が1/3、新しい水が2/3くらいがおすすめ。
10分ほどの間隔で、5回程度を目安に新しい水を足していきます。
水合わせを終えた時点で2/3ほどが新しい水になっていると、元の水が一切含まれていない完全に新しい水にメダカを放ったとき、急激な水質・水温変化を感じることが少なくなります。
こんなふうに水合わせするようになって、数日かけて輸送されたメダカでも、すぐに産卵するようになったよ!
水合わせにかける時間・回数は?
- 時間=1時間ほど
- 回数=5回ほど
というのが多くの水合わせシーンに当てはまるのではないでしょうか。
メダカの水合わせはビニール袋のまま?それとも容器に移す?
メダカが入ったビニール袋のままでは、新しい水を足しづらいです。
それにビニール袋越しでは、メダカの状態をチェックしづらいかもしれません。
水合わせは「別容器」に移して行うのがおすすめ。
横見でメダカの状態をよくチェックできる、虫カゴのような透明のプラケースが良いでしょう。
ビニール袋に入った水をほとんど移せ、メダカの泳ぎを観察できるくらい少し大きめが使いやすいです。
メダカの数に対して、プラケースが小さいようであれば、エアレーションもあると便利。
自宅のベランダでも、お部屋からエアーチューブを伸ばせば簡単に使用できるよ!
失敗しない水合わせの全手順を実演
ここから実演にて「水合わせ」の全手順をご紹介いたします。
水合わせを行ったのは、まだ猛暑日が続く9月初旬。
群馬県で20年以上にわたり、めだか・金魚の養殖業を営む「上州めだか」さんから、種親グレードの蒼煌が到着。
まずは袋越しにメダカの状態をチェック。
全体から細部にかけてチェックしていきます。
- 全体
・泳ぎの鈍い個体はいないか?
・体に傷はないか? - 細部(特にヒレやエラ)
・ヒレはちゃんと開いているか?
・ヒレの先は溶けていないか?
・ヒレに白点はないか?
・エラや口に綿が付いていないか?
ヒレに綿状のカビが発生する水カビ病
ビニール袋は視界が屈曲して見づらいので、アクリルケースなどに移してのチェックがおすすめ。
もし病気などを発症していた場合、新しい環境にそのまま放つのは絶対NGだよ!
失敗しない「水合わせ」では、メダカの状態の事前チェックが欠かせません。
次に、引っ越し先である屋内水槽の水と、ビニール袋の水との「水温」合わせ。
まだ暑い時期でメダカのビニール袋の水も温かかったので、40分ほど水槽に浮かべて、水温合わせを終えました。
体温が水温とほぼ一致する魚は、0.05℃(1℃の1/20)の水温変化も感知できるみたいだから、水温合わせには慎重に!
結局のところ「水合わせ」でやる事は大きく2つ。
- 水温合わせ
- 水質合わせ
水温合わせを終え、ビニール袋のメダカをアクリル容器に移します。
メダカ飛び出し対策のため、NV BOXに少しだけ水槽の水を張って、その中にアクリル容器を置きました。
ビニール袋の水をすべて移すと、アクリル容器の1/3ほどの水量に。
水温を確認してみると、引っ越し先の水槽の水とほぼ同じ温度。
今回はビニール袋越しにチェックしましたが、本来はこの時点でメダカのコンディションをよくチェックするのがおすすめ。
もし病気などを発症しているようなら、水合わせを最後まで行った後、新しい水を利用して塩浴・薬浴するといいよ!
新たにやって来たメダカの塩浴・薬浴に使用する水のパターンは2つ。
- 塩素を抜いただけの水道水を使う
- 引越し先の水(新しい水)を使う
「新しい水」を塩浴・薬浴に使うメリットは?
コンディションが良くなったあとのメダカの引っ越しがスムーズ
引っ越し先である水槽の水(新しい水)を足していきます。
10分ほどの間隔で、5回程度を目安に新しい水を足していきました。
2回目の新しい水を投入するまでの間、アクリルケースをタオルで覆って、メダカの心的ストレスを軽減。
水合わせでメダカが暴れてしまうと、体を傷つけてそれが原因で病気を発症したりします。
水合わせでは、新しい水の水温・水質に慣れてもらうだけでなく、メダカを心的に落ち着かせてあげることも大切だよ!
メダカ5匹で容器が小さく感じたため、エアレーションすることにしました。
10分ほどの間隔で、新しい水を5回ほど足すとこの状態に。
元の水1/3に対し、新しい水が2/3ほどのイメージ。
水温をチェックすると、引越し先の水槽と同じ温度でした。
メダカを引っ越し先の水槽に移すために、まずは別容器に移しました。
引っ越し先に「元の水」をわずかでも入れたくない場合、メダカを移す容器(黒い容器)に新しい水を汲んでおき、網などですくってください。
メダカを容器に移し終えました。
上州めだかさん作出の蒼煌、さすが「種親グレード」というだけあって、青みがかったラメの輝きは半端ありません。
ようやく、引っ越し先の屋内水槽に放ちました。
新しい環境に戸惑い、底の方にいるのは仕方ないですね。
10分もすると元気に泳ぎ始めたので、少しだけ餌を与えてみることに。
餌食いも抜群で安心しました。
追記
水槽を立ち上げたとき、大幅に水換えしたとき、ゆっくり溶けて水質を急激に変化させない岩塩を少量加えています。
最初は「めだかブリーダー監修」の岩塩を使っていましたが、けっこう割高です。
色々と試した結果、添加物の一切含まれていないこちらに落ち着きました
岩塩を加えるようになって、コンディションを崩すことが少なくなったのと、メダカの発色が揚がったような気がします。
ただし、ヒマラヤ岩塩にはランクがあるみたいで、ピンク色が濃くなるほど、酸化鉄・赤土が混ざっているのだとか。
上記の岩塩で今のところ問題ありませんが、いつかは最高品質グレードを試してみようと思います
今回、上州メダカさんから届いたのは、蒼煌のオス2匹・メス3匹でした。
メダカが完全に落ち着いたあと、絶対に確認していただきたいのがオス同士の力関係。
強いオスが弱いオスを追っかけ回して、昇天させてしまうことがよくあります。
メダカが完全に落ち着いたあと、オス同士の相性などもよく観察してあげることで、丁寧な水合わせがさらに意味を持ちます。
追記
その後のコンディションも良く、1週間ほどでメスの1匹が産卵開始。
2週間後に初の水換え。
その翌日からすべてのメスが産卵を始めました。
【最後に】メダカ水合わせ全手順
丁寧な水合わせには、少し時間を要します。
新たなメダカを迎え入れるときは、スケージュール的に余裕をもっておくのが何より。
ネット購入して遠く他県から輸送されたメダカでも、丁寧に水合わせすることで、すぐに新しい環境に馴染んでくれるはずです。
水合わせの一連の流れを動画でご視聴いただけます